耐震補強の事例(HD金物)

 

 壁の補強計画を立てる場合、その壁を構成する両端の柱が、計画する壁の強さによるN値判定によっては、コーナー金物ではその強度不足になるケースが出てきます。その場合はHD金物を設置しなくてはなりません。参考までに以前私が所属していた会の動画を参考に。

 

耐震診断でわかる、ホールダウン金物の必要性。

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 ホールダウン金物

  1階の角に位置し、かつその上に2階が載っていない壁に大きなN値がでますが、無筋基礎の場合、計画した壁の強度を100%出す為には基礎仕様も関係するので、耐震診断で鉄筋がはいっていないと確認されたら、まず基礎から補強します。

耐震診断でわかる、ホールダウン金物の必要性。

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 ホールダウン金物

 その後、耐震診断後の補強計画に沿って、基礎にM16ボルトを介しその柱のN値に応したホールダウン金物を設置します。仕口の仕様規定を仕様Ⅰ(設計した壁の強さ倍率が低減されない為)にするために行う作業です。この柱の場合20kN(N値×1.96kN/m×階高mで得られた数値以上の物)対応品を設置しました。

耐震診断でわかる、ホールダウン金物の必要性。

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 ホールダウン金物

 柱頭側にも同じ20kNのホールダウンを設置します。金物が柱の中央にないのは右側の空き代に耐震パネルを設置する為です。

耐震診断でわかる、ホールダウン金物の必要性。

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 ホールダウン金物

 柱頭側のボルトも梁上で規定の座金で固定します。固定はダブルナットが基本です。以前紹介したほぞ抜けを起こさないよう、柱脚側は基礎に、柱頭側は梁(桁や胴差等)にアンカリングするのです。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!