これまで色々な補強設計事例をみてきましたが、今回は減築や間仕切り変更を伴う場合の耐震補強事例です。
スケルトンリフォーム+耐震補強
こちらは昭和56年以前築の2階建ての住宅既存1階平面図です。Y方向の評点が0.37とX方向の0.75に対し評価が低くなっています。これはY方向の壁量不足に加え、剛心(構造上の中心)の偏心が大きい為です。
スケルトンリフォーム+耐震補強
今回は減築+間仕切り変更という大規模な工事で、スケルトンリフォームとなりました。よって補強工事は部分解体による高耐力パネル補強ではなく、新築と同じ筋交い補強で計画となりました。但し筋交い補強はパネル補強と比較して工事費が抑えられる反面、単位耐力が低い為その補強ヶ所は1~2階あわせて25か所にもなりました。スケルトンの場合は補強位置も自由に設定出来るので、耐震壁の配置バランス(地震時に均等に力を受け止める)はとり易いのが特徴です。このようにリフォームの内容によって補強方法も自由に選択できるという事です。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!