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防災【住宅の耐震補強設計事例その3】

 

 補強設計のポイントその3は、過去のリフォームで失った耐震上重要な壁を復活させた事例です。壁を失った理由と復活までの経緯をみていきましょう。

 

過去のリフォームで失われた壁

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 今回は過去のリフォームで大事な壁を失った住宅の補強事例です。この住宅の建築当時は南東の角部屋は和室の6帖で赤×部にはLDK側から使う物入が、緑×部にはこの和室用の押入が存在し、紫線部と水色線部には壁が存在していました。赤丸囲み部の柱は2階の角で通し柱となっておりましたが、さすがにこの柱までは撤去されていませんでした。使い勝手の都合上撤去された紫と水色の壁は補強設計する上でその重要性を所有者さんに納得頂き、水色部の壁を復活させることで補強工事となりました。

壁復活

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 過去のリフォームで失った2方向の壁は、両方とも元に戻したいところですが、洋室となった南東の角部屋は現在の使い勝手都合により、X方向のみの壁を復活させることとなりました。この補強により上下構造の直下率も改善され、他部位の補強とバランスの改善さらに屋根瓦の軽量化により評点も1.0クリアすることが出来ました。このように壁を新たに造作又は復活させることも補強設計上、検討すべきポイントの一つなのです。 

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!