スレート瓦劣化事例(インスペクション・福岡)

 

 セメント系の屋根瓦は10~12年おきに定期的なメンテナンス(再塗装)が必要です。今回は屋根の塗装工事の作業工程をみていきましょう。

 

足場

インスペクション 耐震診断 福岡
屋根の劣化事例 スレート瓦塗装

 屋根の塗装工事の為には、まず足場を組む必要があります。一般的に屋根の塗装のみをするケースは殆どなく、壁等も一緒に行います。塗装面は屋根の方が過酷な条件の為、メンテサイクルが早いですが、陶器瓦等であれば外装のメンテサイクルは、15年程度に延ばしても良いでしょう。

高圧洗浄

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屋根の劣化事例 スレート瓦塗装

 

  屋根勾配が6寸(6/10の意味)以上の場合は規定により屋根足場も必要(急勾配の為、作業員が鋼管にもたれかかって作業)になります。まずは高圧水洗浄をします。この現場は前回の塗装から10年が経過し、ご覧のように汚れが付着し場所によってはコケが生えている状態でした。次回のメンテは築40を超える為、下地防水であるアスファルトフェルトの劣化が懸念される事や野地板の点検も含め、塗装ではなく瓦の葺き替えが望ましいでしょう。

シーラ処理

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屋根の劣化事例 スレート瓦塗装

 温暖な時期であれば、高圧洗浄後乾燥の為1日明けて下塗り(微弾性アクリルゴム系樹脂エマルジョンフィラー)します。これは瓦表面と仕上げの塗料(遮熱シリコン樹脂)との接着性を良くする為の作業です。

仕上げ塗り

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 お施主様の希望の色を丁寧に塗っていきます。近年では塗料の飛散防止の為、ウールローラー仕上げが主流です。

2回塗り

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屋根の劣化事例 スレート瓦塗装

 仕上げは2回塗りします。

瓦重なり部縁切り

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屋根の劣化事例 スレート瓦塗装

 2回目の上塗りが十分に乾いたら、雨漏れ防止の為瓦の重なり部の塗料により塞がった部分に切り込み(縁切り作業)を行い作業は完了とまります。足場組からここまでの作業で7日かかりました。屋根の作業と並行して壁やその他(軒天や雨樋・板金等)の部分の作業も行い平均して2週間程度で外装工事は完了します。屋根は建物にとって重要な部分です、定期的な点検・メンテナンスを是非、欠かさないようにしましょう。


既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!