無筋基礎事例その2(インスペクション・福岡)

 

 新耐震基準制定以前の住宅の基礎には鉄筋を入れる明確な規定はなく、そのほとんどは無筋基礎となっています。そのような基礎の補強方法としては、通常添え基礎(新規の鉄筋入りコンクリート基礎をアンカリングによって抱き合わせる)という方法で補強しますが、その施工の為には床を開けなくてはなりません。今回はそれに代わる工法のご紹介です。

 

床下潜航によって補強する工法とは

インスペクション 耐震診断 福岡
無筋基礎補強事例 アラミド繊維

 無筋の基礎を補強する為には、通常アンカー(ケミカルアンカー)を打ち鉄筋を組んで型枠を組み、そこにコンクリートを打設し、養生後にその型枠を解体撤去するという一連の作業をしますが、どうしても床を広範囲に渡って開口し、さらにかなりの期間生活に支障をきたします。では床も開けずに生活も維持したまま工事可能な工法として、アラミド繊維補強のご紹介をします。床下に潜っての工事の為、多少作業の難易度は上がりますが床を広範囲に開けることなく工事が可能です。

アラミド繊維補強

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無筋基礎補強事例 アラミド繊維

 その工法とは、基礎表面をブラシュアップし2種類の専用接着剤を用いてアラミド繊維を張り付けるという工事で、一般的な住宅の基礎(20坪以下)なら2日間という短期間で完了します。先ほども言いましたが、床を大きく開口する必要(床下収納又は畳下から進入)が無く、普段通りの生活が可能です。

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無筋基礎補強事例 アラミド繊維

 アラミド繊維を専用接着材で張り付け後は、コーティングを塗布して完了です。

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無筋基礎補強事例 アラミド繊維

 アラミド繊維補強は、連続した基礎のみならずこのような独立基礎の補強にも最適な工法といえます。写真の独立基礎は既に亀裂が内部まで入り、かなり劣化が進んだ状態といえます。カチカチのコンクリートはとても丈夫そうに思えますが、化学反応(中性化)や塩害やアルカリ骨材反応そして寒冷地では凍害によりその強度は著しく低下しますので、過信は禁物で築20年程度経過した建物なら一度点検(インスペクション)をお勧めします。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!