今回は住宅事故事例をとりあげます。
ある住宅保険会社の統計によると事故件数の最も多いものは、雨漏れでした。雨漏れと言えば屋根からと想像がちですが…。
壁からの雨漏れ
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外壁のクラックからの雨漏れ事例です。タンスの影で気づくのが遅れ、まるでコロナウィルスが蔓延するかのごとくこのような事態に。
垂直な面の壁は、雨水など入ってくるようなイメージは無いと思われるかもしれませんが、クラック等の隙間さえあれば室内外の気圧差や風の影響、浸透圧等様々な原因で水は浸入してきます。現在では万一浸入した水も適切に屋外へ排出させる工法(通気工法等)等で防水措置が施されていますが、2,000年(品確法により雨水の浸入10年保証義務化)以前の住宅のほとんどが躯体(柱や梁・土台)に外壁仕上げ材が密着して施工されていたのがその主な原因です。
以外なことに、この壁からの雨漏れ事故件数は、屋根からのそれを上回るのです。
壁からの雨漏れ
![インスペクション 耐震診断 福岡](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=203x1024:format=jpg/path/s50fa3169433e3326/image/ibd7ee1a40d3e1ed8/version/1586942602/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E8%80%90%E9%9C%87%E8%A8%BA%E6%96%AD-%E7%A6%8F%E5%B2%A1.jpg)
外壁モルタルを施工する場合は、アスファルトフェルトという防水紙の上にラス網やメタルワイヤーなどにモルタルを塗りますが、ご覧の通り経年劣化でとても防水紙とは言い難い状態になります。少しでもクラック等が生じれば躯体内部に容易に雨水が浸入してくるのがお判りでしょう。壁内部には古い住宅では土壁が、近年ではグラスウール等の断熱材が雨水を吸湿停滞する為躯体である木材の腐朽や蟻害を招く結果となるのです。
壁からの雨漏れ
![インスペクション 耐震診断 福岡](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=270x1024:format=jpg/path/s50fa3169433e3326/image/i8d9efe60a318f7e2/version/1586942602/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E8%80%90%E9%9C%87%E8%A8%BA%E6%96%AD-%E7%A6%8F%E5%B2%A1.jpg)
玄関脇の壁を剥がした写真です。柱が湿潤な状態にあり、日射の影響で蒸し返されると、褐色腐朽菌によりまるでビスケットのように手で砕けるようにまで劣化が進んでいます。
屋根ばかり気にするのではなく、壁の雨対策及び点検は重要ですね。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!