令和2年4月現在で、リフォーム工事には10年保証の義務はありませんが、リフォームだからと言って手抜きは出来ません。新築同様の品質が求められます。それでは基礎工事をみていきましょう。
地業
まず最初に、定めた設計GL(グランドライン:地盤面高さ)から基礎の根入れ高さまで床堀作業をし厚60程度砕石を敷いてランマーという機会で転圧します。ここでポイント、この約20坪の基礎作業でもこの床掘作業で、10tダンプで2台分の残土が発生し基礎工事でも間接的な費用が発生します。
墨出し
次に正確な位置(写真中遣方から水糸を張って出す)出しや配筋・型枠組の作業性向上と生コン打設時の品質確保の為、捨てコン(無配筋Fc18)を50厚程度で打ちます。写真は基礎外周ラインですが、杭の頭が並んで見えていますね。この後内部に防湿フィルムを敷き、配筋作業に入ります。
基礎配筋と杭頭の取合い
基礎配筋と杭頭の取合いです。外壁や構造間仕切り壁が載る部分には土台を敷く為、立上り配筋を組み梁構造とします。当然この部分には予め、杭が施工されています。
配筋状況
立上り部に使う配筋は、作業性向上と品質確保の為、あらかじめ工場で溶接組されたユニット鉄筋を使います。立上りの主筋配筋断面等は地耐力に応じてその径を、スラブ配筋においてはシングル配筋(スラブ厚150)かダブル配筋(スラブ厚200)かを決定します。写真の配筋はシングル配筋Ð13@200で配筋されています。コンクリート打設時の品質確保と地盤面からの防湿処置のため捨てコン部以外の全面にポリエチレン防湿フィルムを敷きます。また、屋外への給排水管や電気配線用空配管等の基礎貫通設備もこの配筋作業と並行して完了させます。
生コン打ち
スラブ部のコンクリート打ちです。打設にはコンクリートポンプを使います。約20坪で12㎥:大型ミキサー車3台分のコンクリートを一時間半で打設します。コンクリートはコールドジョイント(時間があきすぎると最初に打ったコンクリートと次に打ったコンクリートが繋がらない)防止のため、あまり間を開けず、段取り良く連続して打設する必要があります。建設現場近くで順番待ちをしているミキサー車をよく見かけませんか?それがまさにこの作業です。
均し
打ち終わったらタンパーと言う器具で均し押さえしていきます。打設後は養生期間をとり、立上り基礎の作業に入ります。
天端均し
土台やホールダウン用のアンカーボルトを所定の位置・高さに設置し、設計高さで立上りのコンクリートが打ち終わったら、セルフレベラーという天端均し材で高さを水平に揃え、所定の強度が出るまで養生し型枠をばらして基礎工事は完了となります。養生期間含め2週間程度で基礎工事は完了します。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!