平屋では屋根荷重が、2階建てでは屋根荷重に2階荷重がプラスされ、建物を破壊する力の元となります。3/19ブログで頭(屋根)が重い程その破壊力が大きくなり、耐震のためには瓦の軽量化が効果的とお話しましたが、今回は2階自体を取っちゃえば?のお話です。
耐震補強の実例:2階減築(荷重減による必要耐力の低減)
元は平屋建てに2階を継ぎ足し増築されたこの住宅、耐震診断の結果、構造体も連続(緊結)されておらず不安定で、壁の直下率の悪さや、オーバーハングした2階増築部の基礎(ろうそく基礎)にも不安がありました。
耐震補強の実例:2階減築(荷重減による必要耐力の低減)
家族構成の変化(減少)で2階の必要性がなくなったとのことと、もともとの平屋部分の構造耐力も弱かった為、2階を減築と同時に屋根の軽量化及び1階の補強の運びとなりました。
耐震補強の実例:2階減築(荷重減による必要耐力の低減)
1階温存の為、減築(解体)は手作業となります。
耐震補強の実例:2階減築(荷重減による必要耐力の低減)
以前は重い2階建ての建物としての評価では、1階部分の必要耐34.94kNでしたが2減築(6帖二間)+屋根軽量化でその値は13.28kNにまで抑えられ、老朽度改善(外壁総改装)に加え一部基礎補強と3ヶ所の壁補強により評点1.0クリアしました。このように改築要望と耐震補強を上手く計画することにより、市の補助金も受けられコストを抑えた安心安全なリフォームが可能となります。まずは耐震診断を受けましょう。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!