耐震診断事例(劣化度の項目とは?)

 

 耐震診断に用いられる評点(各階各方向別に算出し最低点をもってその建物の評点とする)を適切に算出する為の調査項目にはまず第一に「壁・柱の耐力」第二に「耐力要素の配置等による低減」そして三番目に「劣化度による低減」があります。

 

福岡市では、耐震改修で最大90万円の補助がうけられます。まずは耐震診断を受けましょう。

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震診断 劣化度:部位①(劣化点数2点)

  先ほどの3項目の点数を掛け評点(保有耐力/必要耐力)は算出されます。ここで、二番目と三番目の項目は最高点が1.0の低減係数なので、たとえ壁・柱の耐力が充足していても、その二項目が1.0ないと保有耐力も1.0をクリアしません。

 そこで、今回は三番目の劣化度についてみていきましょう。 劣化度の調査項目は全13部位あり、写真はその①:屋根葺き材です。割れ・欠け・ズレ・欠落・さび・めくれ等を診ます。この場合漏水により下地が腐朽している等の劣化事象が確認されたら劣化点数としてチェックします。では、以下残りの12部位をみていきましょう。

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耐震診断 劣化度:部位②(劣化点数2点)

 調査部位その②は軒・呼び樋です。ここでもさび・割れ・ずれ・欠落等を診ます。写真は軒樋のずれにより雨水が伝い、破風板が腐朽していますね。さらに漏れた雨水は地面をたたき跳ね返った水が外壁のクラック等から浸入し躯体を傷めるケースもあります。そう言う意味でも雨水の処理は建物維持管理上重要であり、診断の調査対象になってます。

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耐震診断 劣化度:部位③(劣化点数2点)

 先程の軒・呼び樋に続き調査部位③は竪樋(縦樋)です。

 ご覧の通り竪樋は外壁に沿って設置してあるため、割れ・欠け・ずれがあれば直接外壁に浸潤し構造体を傷める原因となります。

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耐震診断 劣化度:部位④(劣化点数4点)

 調査部位④は外壁です。先程の雨樋からの漏水も外壁に劣化(クラック)が無ければ、躯体内部に雨水は浸入せず躯体を腐らせることもなく、蟻害に合う可能性も抑えられます。外壁は構造耐力上重要な部位であることから、たとえ外壁に写真のような大きなクラックがない場合でも、打診棒やサーモカメラで外観上からは判らない、外壁材の浮きなども調査します。

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耐震診断 劣化度:部位⑤(劣化点数2点)

 続いて劣化部位⑤:露出した躯体です。露出した躯体は風雨やに直接さらされており、腐朽や蟻害にあい易い部位です。写真は蟻害にあい、既にその1/2が食害により断面欠損した広縁の角柱です。和風住宅では意匠上、礎石や束石に柱や束を直接化粧で乗せた施工も多くありますが、ここでは凶と出たようです。

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耐震診断 劣化度:部位⑥(劣化点数1点)

 部位⑥はバルコニーです(築後10年以上の建物が対象)。バルコニーの定義は2階以上の屋根のない張り出し部を指します(屋根がある場合はベランダと呼びます)。屋根がないと言うことは、当然雨風の影響をまともに受け過酷な部位といえます。バルコニーでは手摺壁、手摺壁と壁の取合い部、床排水についてそれぞれ診ます。バルコニー壁では笠木からの雨水の浸入事故が比較的多く、さらに日光を浴び温度が高い為、腐朽速度も速く腐朽の度合いが深刻なのが特徴です。

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耐震診断 劣化度:部位⑦(劣化点数1点)

 バルコニー部門その2の部位⑦外壁との接合部です。

 外壁とバルコニー床との構成部材が異なる為、接合部(仕上げ材が変わる)がありますが、その処理(縁切り)が上手く施工されていないと漏水の原因になります。写真は外壁とFRP防水が連続して施工されていた為、FRP防水側が切れ、裂け目が入っています。実はここに物置がありその重さで徐々に床が下がり防水層が切れたのでした。当然雨水は浸入し直下の部屋天井に達していました。

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耐震診断 劣化度:部位⑧(劣化点数1点)

 劣化部位⑧:バルコニー床排水です。

床と排水受け樋部と排水口(ドレイン)を診ます。

 劣化点数1点。バルコニー廻り合計で3点になります。

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耐震診断 劣化度:部位⑨(劣化点数2点)

 劣化部位⑨:内壁一般室です。

内装は目視で水浸み跡・はかれ・カビ等を診ます。内装までその症状が出ている場合、隠れた構造体は既にかなり劣化が進行している場合があります。

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耐震診断 劣化度:部位⑩(劣化点数2点)

 劣化部位⑩:内壁浴室です。割れ・変色・腐朽・蟻害等を診ます。

 浴室は湿気も多く劣化が多発する部位なので、床下からもしっかり診ます。

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耐震診断 劣化度:部位⑪(劣化点数2点)

 劣化部位床です。床面は一般室と廊下に分かれます。

 劣化部位⑪:床面一般室。

 床では傾斜・過度の振動・床鳴りを診ます。規定では3m毎に6/1000(1メートルで6ミリの傾斜)、パーセントにすると0,6%以上の傾斜で何らかの不具合があるとし劣化事象とします。

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耐震診断 劣化度:部位⑫(劣化点数1点)

 劣化部位⑫:床面の廊下です。診るポイントは一般室と同じですが、劣化点数が違い1点です。

 

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耐震診断 劣化度:部位⑬(劣化点数2点)

 劣化部位⑬:床下です。床下では基礎の亀裂や床下部材に腐朽や蟻害等を診ます。実際の耐震診断での床下調査ではこの他、基礎の鉄筋の有無・基礎の配置・換気口位置・基礎コンクリート強度・地割れの有無・設備配管の点検も行います。

 以上①~⑬部位で劣化総点24点を分母とし24-劣化点数の合計を分子として劣化低減係数を算出します。但しその値が0.7以下となった場合は0.7とし、全ての劣化改善工事行った場合でもその値は0.9とし評点を計算するのです。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!