屋内外・設備関係の診断機材と調査風景

1.床の傾き調査

木造住宅は、地盤の影響を受けて傾きが生じる場合があります。傾きによる不具合を目視チェックしたり、計測器を使って傾き度合を数値で捉えたりします。

光を増幅して照射するレーザー装置です。平らな床に置いて照射すると赤い水平ラインを確認することができます。

 長い廊下のあっちとこっちで、床面から赤いラインまでの距離を測ることにより、床の傾き度合いを数値で確認することができます。


2.柱の傾き調査

デジタル水平器は、柱の側面に当てるだけで傾きを数値化できる優れものです。


デジタル水平器に表示される数字はパーセント。右写真の場合は0.4%、つまり1000分の4の傾きです。柱は通常3mほどありますから、上下で約1.2cmの傾きです。まっすぐ立っているものが1.2cmずれていることになります。


和室の襖を閉めたとき、ピタッと襖の上下が柱につかないことってありますよね。開閉がスムーズにできない程、動きが悪い場合もあります。症状から原因を特定する観察眼と、それに対処する知恵が必要なのです。

3.屋根・外壁状況確認

雨や風を防ぎ、屋内生活を守る外装材の劣化状況について調査します。 


双眼鏡を使ってまずは目視で全体チェック。瓦だけではなく、軒先や樋などの劣化についても確認します。

下屋(1階の屋根)がある場合は、一部瓦をはがして下地材の状況確認をします。


外壁からの雨水浸入は構造躯体の劣化を招きかねません。モルタル壁の亀裂やサイディング壁のコーキングの劣化は見逃さないように注意が必要です。また、写真のように手のひらで外壁をなでた時、白い粉が付着するようなら塗膜の劣化が進んでいる証拠。そろそろ塗り替えの時期かもしれません。

4.基礎状況の確認


基礎の立上りの状況を確認します。亀裂がある場合は、クラックスケールを当ててみて、亀裂幅のサイズを確認します。基礎の立上りは通常モルタル刷毛引きで仕上げてありますので、亀裂に深さがなければ表面だけのことと判断し、躯体の劣化とはみなしません。

5.水道メーターチェック

給水管の亀裂や接続部分の緩みは水漏れの原因になります。気づかず放置しているうちに、躯体の劣化に及ぶことも…。


全ての蛇口を閉めた状態で、一旦メーターのバルブを閉めて水道本管からの供給をストップします。数分後、バルブを開けた瞬間、メーターのコマが回れば漏水の可能性があることになります。でも、漏水箇所を突き止めるのは結構大変な作業なのです。


余談ですが、インスペクションをきっかけに水漏れが改善できたケースを紹介します。水道管専用の聴診器を使って漏水箇所を探してひたすら掘削!根気よく作業を続けることで、接続部分の腐食による水漏れを発見することができました。

こんなページも参考になりますよ!