インスペクションとは

はじめに

世の中には、ホームインスペクションと言われる多種多様な建物調査・診断が存在します。短時間で終わる局所的なものや、無料あるいは極端に安い価格で提供されるものなど、その目的や対応はまちまちです。インスペクションを手掛ける技術者は「インスペクター」と言われていますが、彼らの有する資格は、民間団体が独自に作った制度による登録制であり、知識や経験にばらつきがあることは否めません。

このホームページは、建築士である私たちが手掛けるインスペクション(建物診断)について、出来るだけわかりやすく説明することにより、あなたに、その必要性を感じ取ってもらうためのページです。

そもそも、既存住宅インスペクション・ガイドラインとは?!

中古住宅は、新築時の品質や性能の違い、その後の維持管理や劣化状況によって、「物件ごとの品質等に差がある」ことから、購入する際に品質などに不安を感じることが多くあり、その不安を払拭するためには、「売買時点の住宅の状況を把握できる」建物状況調査(インスペクション)が効果的であり、消費者のニーズも高まってきていました。

 

そこで、政府の『中古住宅・リフォームトータルプラン』においても、インスペクションの普及を掲げていました。しかし、インスペクションについては、「現場で検査を行う者の技術力や検査基準等は事業者ごとにさまざまな状況」にあるなどの問題点も指摘され、ガイドラインを策定することで国は動きました。「どの検査事業者が行ったかによらず同様の結果が得られる」ようにして、「建物状況調査(インスペクション)の適正な業務実施、トラブルの未然防止」を図ろうということになりました。

 

実際には、建物状況調査(インスペクション)は、さまざまな現場で行われています。

新築入居時の内覧会での検査、リフォーム工事の竣工時の検査などでも活用されていますが、今回のガイドラインでは、「中古住宅の売買時の検査」に限定しています。また、中古住宅の売買時の検査としてのインスペクションでも、中古住宅の現況を把握するための基礎的な「現況検査」、劣化の生じている範囲や不具合の生じている原因などを把握するための「詳細なインスペクション」、現況からさらに性能を向上させるために性能を把握する「性能向上インスペクション」の段階に分かれています。

今回のガイドラインでは一次的なインスペクションである「現況検査」に関するものに限定されています。したがって、ガイドラインの検査方法としては、目視を中心に、住宅の傾きやひび割れの大きさなどを測る一般的な計測器を用いるまでとしています。詳細なインスペクションを行うには、「破壊調査」を行うことになる場合が多く、その実施においては住宅所有者の同意を得る必要があることから、対象外とされました。

既存住宅の主なインスペクション

 (出典:国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」より) 

国交省が定めた「インスペクション・ガイドライン」

自然発生的に世の中に認知され出したインスペクションですが、平成25年6月には国交省による「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が策定されました。これにより、消費者の目的にあったインスペクションをそのインスペクションの有資格者が確実に行うことで、目的達成の道筋を示すことができるようになったのです。逆に言うと、ガイドラインに沿った調査・診断を実施する事業者でなければ、その先にある真の目的を達成することができないこともありますから注意が必要です。

戸建住宅において共通的に検査対象とすることが考えられる項目

検査は対象部位ごとに劣化事象の有無を確認するもので、主な劣化事象とは以下の通りです。

まずは、構造体力上の安全性に問題がある可能性が高いもの(例:蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等)。次に、雨漏り・水漏れが発生しているもの、または発生する可能性が高いものです。最後に、設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの(例:給排水管の漏れや詰まり等)です。ただし、目視可能な範囲に限定され、容易に移動できない家具などで隠れている部分については、目視できなかったことを報告することとされています。福岡は海に面する場所も多いため、潮風で劣化が進みやすいという特徴もありますので、現状を知ることは大変重要なことでしょう。

中古住宅の購入検討者が建物状況調査(インスペクション)を依頼する際には、住宅所有者の承諾を取り付ける必要があり、該当する住宅の基本資料を入手し検査員に提出することになっています。また、書面により業務委託内容を確認し、検査終了後には、チェックリストや写真などを活用した検査状況を報告書という形式で受け取ることができます。

なお、瑕疵(かし:重大な欠陥)の有無を判定する場合、瑕疵がないことを保証するものではないこと、建築基準法などに適合していることを判定するものではないこと、検査時点以降変化がないことを保証するものではないこと、などの留意点があります。

既存住宅現況検査における検査項目(一戸建ての場合)

(出典:国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」より)

また、ガイドラインの中には、「中立性に関する情報」が盛り込まれています。

第三者の検査事業者が検査することもあれば、瑕疵保険の加入を前提に検査する場合、仲介会社が売買促進目的で検査することもあり、中立性を確保するために、以下の点がガイドラインに記載されています。

まず、自らが売主となる住宅については、建物状況調査(インスペクション)を実施しないこと。次に、検査する住宅において仲介やリフォームを受託してしない、あるいは受託しようとしている場合は、その旨を明らかにすること。そして、仲介やリフォームに関わる事業者から便宜的供与を受けないことや守秘義務を負うことについても明記されています。

また、検査人の情報(資格や実務経験、講習受講歴)を依頼主に提供する場合、検査事業者の情報(免許や検査項目の概要、料金体系等)をホームページなどで公開することについても、ガイドラインに盛り込まれています。こうした情報開示が積極的に成されていけば、住宅購入検討者が建物状況調査(インスペクション)を依頼しようというときに、事業者を選びやすくなっていくことでしょう。

改正宅建業法施行で建物状況調査(インスペクション)が必須になる?!

日本は、新築供給を主軸にしたフロー重視の住宅政策から、住宅ストックを重視した政策へと転換されるようになって久しいですが、中古住宅の流通シェアはなかなか伸びていないのが現状です。その大きな要因に「建物の見えないところに不具合や欠陥がないか」という「質に対する消費者の不安」があります。このネックを打開して中古住宅の流通を活性化させるために、宅建業法が改正されました。その柱は「不動産取引のプロである宅建事業者が、専門家によるインスペクションの活用を促すことにより、売主・買主の双方が安心して取引できる市場環境を整備」することです。詳細については下記ホームページをご確認ください。

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000143.html 

 

ちなみに今回の宅建業法改正の目玉である建物状況調査(インスペクション)は、売買手続きの主要な3つのステップに組み込まれる形で制度化されました。

まず、媒介契約を結ぶ段階で、必ずインスペクション制度の概要について情報提供することにより、不動産売買を行う全ての人がこの制度に接し、建物状況調査(インスペクション)の重要性を理解してもらうきっかけになればと考えられています。宅建事業者としては、依頼者の希望に備えてインスペクション事業者を手配できる態勢を整えておく必要がありわけですね。

次に重要事項説明では建物状況調査(インスペクション)の結果概要を報告しなければなりません。報告書は建築士が作成しますが、この場面で依頼者から質問が出ることも想定されます。宅建士としても、建物の構造や経年に応じた劣化状態に関する最低限の知識を学んでおく必要がありそうです。

建物状況調査(インスペクション)を実施して劣化事象がない、もしくは補修をして問題がなければ既存住宅売買瑕疵保険に加入する事が可能です。依頼者の立場に立って考えると、瑕疵保険の内容や付保した時の税制優遇についても併せて説明が出来るようにしなければなりません。

 

売買契約の締結時に、構造の安全性や雨漏りの有無について売主と買主がお互いに確認し、その旨を書面にすることになります。ちなみに、下記にどのような書類が必要かをまとめてあります。

 http://www.mlit.go.jp/common/001157555.pdf

 

福岡・いえあ~る(いえあーる合同会社)は、宅建士でもあり建築士でもあります。状況調査も実施できますし、瑕疵担保責任保険の付保手続きも可能です。もちろん、工事まで完結することもできますので、必要とあらば、マイホーム購入からリフォームまでをワンストップでサポートします。逆に、部分的なお手伝いもできますので、必要に応じてご相談ください。

中古住宅購入時には二次的インスペクションが必要

中古住宅を購入してそのまま居住する人はまずいません。入居前に何かしらリフォームを実施します。その内容は自分たちが希望するものが主であることは間違いありませんが、その他にも、建物の状況を把握したうえでやるべきこともあります。その最たるものが耐震性の向上です。既存住宅の中には、現行の耐震基準からするとかなり性能が劣った状態のものもあります。そこを見過ごしたまま表面的なリフォームをして入居すべきではないのです。住宅ローン減税の対象となる中古住宅の要件の一つに「現行の耐震基準に適合しているもの」があることからも、中古住宅購入時は既存住宅の耐震化を実施すべきタイミングと言えそうです。 

不動産取引時に推奨されている「建物状況調査」は一次的インスペクションと位置付けられていますが、リフォーム計画に反映するためには、「耐震診断」をはじめとする二次的インスペクションの実施が不可欠なのです。

二次的インスペクションでより正確な状況の把握を

私たちが行うインスペクションは、耐震診断を含む二次的インスペクションです。インスペクション・ガイドラインに沿った調査・診断を実施し、所定の報告書にまとめます。耐震診断の結果、不適合が確認された場合は、補強計画案も同時に作成します。また、ご希望のリフォームが可能かどうかを検討し、既存住宅の状況を踏まえた改修計画案と併せて提案書を作成します。

中古住宅購入時のリフォームは、建物の長寿命化を意識して「劣化改善」や「性能向上」も視野に入れ総合的に計画を練る必要があります。そのために調査・診断結果を活用することが、二次的インスペクションの本来の目的なのです。

中古住宅には「古い、汚い、わからない」というイメージがつきものですが、正しい診断で現状を把握し、対策を練ることは可能なのです。建物診断について、下記の詳しい説明をご覧頂き、中古住宅購入の一助にしていただければ幸いです。

(もちろん、ご自宅のリフォーム計画の策定にも、二次的インスペクションは有効です。)

インスペクションをもっと詳しく知ろう

調査・診断項目

建物内外、床下・天井裏など、調査ポイントは多岐に渡ります。

使用機材と診断風景

非破壊検査で大活躍する診断機材の数々を紹介します。


診断メニューと料金表

料金についてまとめたページです。報告書サンプルも掲載あり!

診断申込みからご報告までの流れ

対面相談から診断・報告までの流れをわかりやすく説明します。


どんな人が診断するの?

国のガイドラインで規定された診断士について解説します。

リフォームとの関係性

インスペクションの結果、指摘された劣化事象とそれを改善するために努める必要があります。


国土交通省策定既存住宅インスペクションガイドライン徹底解説!

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