瓦屋根からコロニアルに葺替え要注意!

 

  防災(軽量化や台風)対策として、瓦屋根からコロニアル(スレート瓦)に交換される方も多いと思いますが、総二階は別として1階屋根と壁の取合いに注意しないと、後に雨漏れします。

 

下屋雨押え板金取直し

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住まいの健康診断 瓦葺替えが原因の雨漏り

 こちらは、以前和瓦が葺かれていたお宅ですが、屋根瓦のズレ防止と軽量化(耐震化)

 のためコロニアルに葺替えられた1階屋根と2階の壁の取合いに発生したクラックです。瓦屋根は壁際にのし瓦が2~3枚程度雨押えとして施工され、その上に雨押え板金が載る為コロニアルに替えると壁際の雨押え板金の高さが低くなってしまいます。低くなった分壁を塗り足さなくてはなりませんが、既存の壁とは馴染みにくく、どうしてもクラックが生じ易くそこから雨水が浸入してくるのです。

 

雨漏れ跡

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住まいの健康診断 瓦葺替えが原因の雨漏れ

 先ほどの壁クラックの直下の和室には、雨漏れの痕跡がはっきりと診て取れます。

 

応急処置

 対策としては全外壁を剥がして、防水紙から再施工がベストではありますが、費用対効果やあと何年この建物を維持したいかで協議の結果、生じたクラックへの防水シール施工となりました。

実施工までの応急処置としてビニルシートで養生します。

防水シール施工

 クラック部の掃除をしプライマーを塗布した後に、変成シリコン(後で塗装をする場合に塗料が載る)による防水シールをしました。今回は事後の処理法ですが、瓦交換時には外壁モルタルをカットし新規に塗る場合は、いずれは開くもんだと想定し、接合面をVカットし続いてこの防水シールを打っておけば、雨漏れを防止できたのかもしれません。もう一つの対策は、もとの雨押え板金を除去せず(既存の壁をそのまま生かし)板金に下に新たな雨押え板金を延長するという方法も、防水という観点からは得策であると言えます。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!