頑丈で耐久性に富んだ鉄筋コンクリート、でも適切な施工をしないと意外に耐用年数は短いのです。
自然崩落
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ある日突然崩落した鉄筋コンクリート造物置の天井スラブの断片。頭上に落ちなくて幸いでした。
丈夫で耐久性の高い鉄筋コンクリート造ですが、施工基準を守って工事しないと、自重自体が重いだけに大事故につながる場合があります。
被り厚さ
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鉄筋コンクリートは適切な施工さえ行われていれば半世紀は楽に持つ構造ですが、以前のブログでも取りあげましたが鉄筋被り厚さといって、コンクリート表面から鉄筋までの距離をその使用する状況に合わせて確保する必要があります。天井スラブのように直接土に接しない場所でかつ、非耐力部では最低20㎜確保と法律で規定してあります。ただ、スラブ(床や屋根)の配筋は?というと通常型枠の上に、餅網状に鉄筋を組むのですが、その際、自重で型枠にくっついてしまいます。くっつくのは仕方ないとして被り厚を確保しないままコンクリートを打設すると、適切な被りが確保できていない鉄筋は、やがて腐食します。表面に近いとコンクリートの持つアルカリ性が中性化によって失われ、鉄筋の腐食スピードが増すようです。
一旦錆びて膨張した鉄筋の修理は不可能
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こうなると、解体するしかありません。今回依頼を受けた物置の屋根は約3㎡程でしたが、2名の作業員で半日で解体できました。
中央部の鉄筋は消滅
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中央部分の鉄筋が腐食して無くなっているのがわかりますね。
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被り厚の確保されたスラブ周辺部の鉄筋はまだまだその断面を確保していますね。
またこの鉄筋の腐食は、たとえ被り厚さが確保されていても、コンクリートに骨材として使われる砂や砂利の品質によっても影響を受ける場合もありますので、信頼できる業者またはコンクリート工場出荷のものが使われているかも被り厚さと同じく大切なのです。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!