毎年のように災害が起こる日本の梅雨の豪雨や秋の台風、そしていつ襲ってくるかわからない地震といった自然災害と共に気を付けたいのが白蟻被害です。それら自然災害による被害を最小限に留める為にも白蟻対策は必須です。
蟻害
出窓に厚く積み上げられ放置された雑誌の束に上がって来た白蟻の被害例です。紙も元々は木材から出来ていますので彼らにとっては大好物のようです。床下から進入した白蟻は出窓の敷居を貫通して雑誌にまで到達しています。
蟻害
これは玄関上がり框が蟻害に遭いその下地の大引きという材料を食害している写真です。玄関は通常土間(土砂又はコンクリートでかさ上げしその仕上げ面にタイル等張られている)で仕上げられていますが、ちょうど上り框直下に並行してその土間の仕切りとしてブロックを積み上げてあることが多く、このブロックの空洞を直に通って到達出来る木材がこの框や大引きなのです。言い換えれば、地面に木材が直に接しているようもので、彼らの被害に遭い易いのです。また上り框に使用されている接着剤を好むとの説もあり、これが事実ならより被害に遭い易いといえます。
框断面
被害にあった上り框の断面です。このように水廻りでもない場所で、さらに人の足音や振動を嫌うと言われている白蟻でも地中からわざわざ蟻道をつくらなくても乾燥せず簡単に木材に到達できる等の条件が整えば、簡単に上がってくるということなのです。
高温多湿のこの時期、ひょっとしたら読者さんのお家もやられているかもしれないという危機感を持ち、ご心配なら専門家に調査(無料の場合有り)を依頼しましょう。
なお、この程度で済んでいるならまだいい方で、構造材(柱や土台そして梁)が被害にあうと強度が低下し、冒頭申し上げた自然災害の外力で建物が倒壊に至る場合もあります。人間に多くの恩恵を与えてくれるのは自然、そして人大な被害を与えるのも自然ということを改めて認識し、被害に遭う前に対策を打ちましょう。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!