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地震から建物を守るのは筋交?

 

地震時等の横方向の力から建物を守ってくれるはずの筋交い。

ところが震度6強を超える地震動ではこの筋交いもあまり頼りにならないこともあります。

 

筋交いの話に入る前にまずは店舗のように道路に面した面(壁)に窓を大きくとらざるを得ず、まったく壁のないこのような建物は当然のことながらその面に全く筋交い(耐力壁)がありません。

このような建物はどの方向から地震波がやってきても写真のように右か左に倒れます。

この建物はかろうじて右側の電柱に寄り掛かり、倒壊はまぬがれています。

ここからは本題、地震時に建物を倒壊から守ってくれるはずの耐力壁(筋交い)も震度7程の強い力をうけるとご覧のように破壊(強い圧縮力を受けて座屈)し壁を突き破ってポキンと折れてしまっています。

このような破壊の仕方を面外座屈といい、内壁又は外壁の面材を突き破って、一気に耐力を失ってしまいます。

続いて、今度は筋交いの留付け強度不足により筋交いの端部が引き抜けて耐力を失った例です。

1つ前の写真の筋交いは端部構造が現行基準で留付けられていたので、引き抜けには耐えたようです。

地震時には圧縮と引っ張りの力が交互にかかる為、筋交いにはこの両方向への対処が必要なのです。

話は変わりますが、筋交いや柱・梁といった構造材は接合部が破壊されたりすることはあっても、変形することによって材料自体はあまり破壊されることはありませんが、外壁材のような面材は変形には耐えられないので写真のように剥がれおちてしまっています。

次は、せっかく筋交いは入っているのに中央の柱の断面を優先し筋交いの断面を削って施工された現場の例です。

どんな材料でも切り込みやちょっとした傷だけでもその部分は弱いものです。

柱を優先したいのであれば、この場合写真中央の柱の右と左側にそれぞれ半間筋交いを断面欠損することなく1本ずつ入れたかったとこですね。

筋交い(耐力壁)は建物の全体に必要な量をバランス良く配置(筋交いの向きのバランスも含め)することが大事なのですが、どうやら筋交いだけでは限界があるようです。

この写真は水廻りの壁の中に施工された筋交いですが、防水の処理に不具合があり長期間多湿状態にあった為、柱も筋交いも腐朽しています。地に足が着いていない状態ではとても建物を守ることはできませんね。

以上のことから筋交いの施工不良やメンテ不足などから本来期待できるはずの強度がないような住宅が多く存在していることと、H28熊本地震のように繰り返し大きな余震(本震)に襲われるような地震には筋交いはあまり有効な工法でないとなると、筋交いによる補強には疑問符がつきますね。

写真(約1ⅿ地面に左右に断層が生じています)のように大地を引き裂いてしまうほどの地震エネルギーは測りしれません。

次回では耐震に関しては筋交いのような軸材による補強よりも効果的な補強材は無いのか?についてお話ししたいと思います。

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