マンションリフォーム注意点(住まいの健康診断)

 

 マンションリフォームが盛んな昨今、床張替を希望される方も多いのでは?今回はマンションリフォームの床張替の注意点のご案内です。

 

マンションリフォームは戸建て住宅と違って下地の構造が非破壊調査では判定しずらい点です。

インスペクション 耐震診断 福岡
住まいの健康診断 マンション床張替

 バブル後期あたり(30年前)に建てられた一般的なマンションの床下地は写真のような発泡スチロール板に直接又は間接的に床を張ることが多かったのですが、この発泡スチロール敷き込みの前に高さ調整の為、モルタル団子を床コンクリートの上に置いて施工していました。

マンションフロア下地

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 これがそのモルタル団子で厚さが5cm程度あります。

ここで問題なのが、床の防音化やバリアフリー化、水廻り位置変更などの要望をかなえる為にはこのモルタル団子を除去しなくてはなりません。

この時電動ピックやブレーカーといった斫り工具を使うのですが、その騒音たるやすさまじく、上下階はもちろんご近所さんへの相当な事前配慮が必要となります。またこの団子の撤去処分には多くのコストを要しますので、計画なさる時には管理組合等保管の詳細図面で床下の構造をよく確認することが重要です。工事を始めてから気づくのではなく業者さんに事前調査見積時に一部床を開口してしてもらって確認するのも良いでしょう。

マンションの床配管

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住まいの健康診断 マンション床張替

 団子を撤去すれば割合自由に水廻り配管を施工することも容易になります。もちろん電気配線や電話・LAN配線などの信号配線も容易になり、新しく好みの床も施工出来て一石二鳥というわけです。

古い配管も一部(防火区画貫通部部後1ⅿ)を除きほぼ交換できますので、一石三鳥ですね。

改めて床を張るなら、防音対策を。

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 ここで新しい床のご紹介ですが、下階への防音も兼ねて防振ゴム付の束を使用したパーチクルボードという下地の板やグラスウール等の吸音材をその下に敷きこむことにより、ずいぶん遮音効果を得られる工法があります。この束のお陰で床下に空間が生まれ、設備配管や配線が割に自由に取り回し可能となるのです。さらに鉄筋コンクリートといえども長年の経年変化で床(スラブ)はその中央が数㎝たわんで下がっていますが、この工法を使えば容易に床レベルの調整が出来ますので、フラットな気持ちいい床に生まれかわるのです(コンクリートを持ち上げるのではなく床を水平に組む)。

マンション防音床組

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 先ほどの床下地パーチクルボード(厚さ2㎝)にゴム製の遮音マットを敷き詰めてその上に好みの床を張ります。

写真はタモ材と言って野球のバットに使用されるぐらい非常に強い材料です。

無垢材なので、大工さんが一枚一枚丁寧に張っていきます。仕上がりは素晴らしいものですよ(お好みで様々な色の天然オイルを塗って仕上げとなります)。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!