土台アンカーボルトの入れ忘れ(耐震補強実例)

 

 土台アンカーボルトは台風や地震発生時に建物が基礎(地盤面)からずれたり浮き上がったりするのを防止する為にはとても重要な部品です。このアンカーボルトが適切な位置に設置されていないと建物本来持っている強度が100%発揮されないのです。

その設置基準は土台の交差部や建物の角(出隅)、筋交いの設置された両端柱の下部20cm以内、土台の継手部の雄木側などかなり細かく規定されています。ですが、リフォームなどで壁を解体するとかなりの確率でアンカーボルトが適切な位置に設置されていないケースに遭遇します。

そういった場合の対処方法をご紹介します。

  

欠陥対策別リフォーム(アンカーボルトの後付け)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 土台アンカーボルト

 では、後から施工可能な方法とは?

写真はⅯ12ずん切りボルトというホームセンタ-でも購入可能なボルトです。実際新築で使用されるアンカーボルトと同質のものです。

新築時にはアンカーボルトの下端はL型に曲げたフック状になっていますが、その形状では後施工は不可能なので、先端がストレートな形状のまま用います。

欠陥対策別リフォーム(アンカーボルトの後付け)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 土台アンカーボルト

 アンカーボルトの用意が出来たら、次に土台と基礎の穴をあけます(穿孔という作業)。基礎に約15㎝の深さで使用するぼるとが直径12mmなので2mmプラスの14mmの穴をあけコンプレッサーで空気圧送したりブラシを使ったりして中をよく掃除します。

欠陥対策別リフォーム(アンカーボルトの後付け)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 土台アンカーボルト

この穴に専用の接着剤(エポキシボンド)を挿入し、アンカーボルトを挿入し締め込んでいきます。

欠陥対策別リフォーム(アンカーボルトの後付け)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 土台アンカーボルト

 振動ドリルで体重を掛けながら打撃回転を掛けボルトを打ち込むのです。

約8~10秒程度打撃しその後夏場なら20分、冬場なら1時間程度養生します。その後ナットを締め付ければ完了となります。

リフォームの際は是非ご自宅の土台アンカーのチェックもお忘れなく!

参考!この後付けアンカーボルト、強度はどうなの?と不安になられるかもしれませんが、一つ前の写真に出てきたケミカルアンカーという接着材、なんとコンクリ-ト強度同等以上の強度があるんです。さらにこの後打ちアンカーはホールダウンボルトにも応用が出来るので地震対策としても効果大です!不安な方は是非専門家に相談しましょう。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!