手抜きなんて言われたら心穏やかではいられないでしょうが、実際に、正しい工事がされていないことはよくあります。意図的ではないにしても、現場管理の不手際(又は大工任せ)であることに間違いないでしょう。
かんざしボルト入れ忘れ
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こちら、屋根裏の写真です。銀色のシート状のものは天井断熱材です。梁に斜めに取り付けられている「火打ち梁」を見てください。両サイドを梁に緊結するためにボルト締めする必要があるのですが、右側は施工無し。
たまたま数が足りなくて、後でやろうと思ったものの忘れてしまったのか…。上棟後の金物チェックは重要です。
梁(軒桁)仕口の不良
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屋根面を支える2階の梁(軒桁)ですがこれは良くない!左側の梁との接合部がかみ合っていませんし、金物補強も為されていません。プレカットが普及する前の建物で、大工さんが構造材の加工もしていたのでしょうが、明らかに間違ったものをそのまま付ける姿勢がいただけませんね。
床束?ならぬ根太で代用?
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こちらは床下の写真です。床を支える桟を「根太(ねだ)」、それを支える角材を「大引(おおびき)」と言います。その大引を支える短い柱のようなもの、これを「床束(ゆかづか)」といいますが、写真にある床束は寸面不足です。本来必要な寸面は9センチ角。施工中に不足したのか、その辺にある別の部材で代用したのでしょうかね。これは民法上の契約不適合責任(旧瑕疵処理)にあたります。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!